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【映画】カポーティ(ネタバレあり)

カポーティ(2005アメリカ)★★★☆
CAPOTE (2006.10.11 梅田ガーデンシネマ レディースデー1000円)

実在の作家トルーマン・カポーティが、代表作「冷血」を執筆する過程を描いた映画。

まずは、カポーティを演じたフィリップ・シーモア・ホフマン。もともと個性派俳優として名を挙げていた俳優だけれど、この作品でオスカーを獲りました。納得の演技。実際のカポーティもこうだったんだろうな、と思わせる話し方、態度、ファッションで、特にぼそぼそと話す甲高い声は、普段の彼からは想像もできない程。演技って凄いなぁ、とただ脱帽でした。

カンザスの田舎町で起こった、若者2人組による一家惨殺事件に焦点を当て、実際に犯人に接見しつつ綴ったドキュメンタリー小説である「冷血」。犯人ペリーと接するうちに、彼への情と、作品を作り上げなくてはならないというプレッシャーの間で、カポーティの心は揺れる。ペリーの中に、自分も持ちうる感情を認めて混乱し、時に冷たく、時に優しく、ペリーへの態度が定まらない。このあたりの流れがよかったです。見ている側にも彼の心の葛藤が十二分に伝わってきた。
「冷血」とはペリーたち犯人を表した言葉ではあるものの、きっとカポーティ自身のことも指しているのでしょう。

荒涼としたカンザスと暗い刑務所。一転して華やかなニューヨークや太陽あふれるスペインの別荘。この違いの描き方も上手かった。

とても暗い映画です。見ていて重くなります。でも、終映後は、心の底まで引き込まれた後の充足感というか、達成感というか、なんというかそういうものがある映画。
エンドクレジットで「この作品後、カーティは一作も新作を完成させることがなかった」と流れるのだけれど、1人の人間の生死に深く深く関わって、それこそ一旦は心を共有してしまうようなところまで同調するということは、きっと、人生を変えてしまう経験なんだろうな。
カポーティは立ち直れなかったに違いない、と勝手に推測してしまうのでした。作家ってやっぱりすごい。

「冷血」読まなくっちゃ、と思ったのですが、読めるかな。

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